竹沢うるま写真展

旅情を求めて旅した、インド・コルカタの写真展
本写真展は、インド・コルカタで撮られた写真約70点で構成されている。
2016年〜19年にかけて何度もこの街を訪れ、写真を撮った。
旅をするのはいつも雨季。滞在中、雨が降るとカメラを片手に旧市街へと向かった。
市場に並べられた野菜が雨に打たれ、働く男たちの肌が濡れる。路面は水に溢れ、古びた壁は滲み、街を流れるフーグリ川は膨大な水を湛え、清濁すべて抱きかかえて河口へと流れていく。
雨が止むと、街は独特の湿気に満たされる。その湿った空気を感じるとき、私は旅情を感じる。
旅情とは何なのか、いまだにそれを説明する言葉を私は持ち合わせていない。しかしながら、もし写真を撮る行為が自身の存在証明なのだと言うことができるのであれば、旅をして写真を撮る私にとって旅情とは、対話のようなものなのかもしれない。自身と世界との対話。そこで交わされる言葉。その響きを一枚一枚撮って並べたのが、今回の展示である。特に深いテーマがあるわけでもなく、それ以上でも、それ以下でもない。
見知らぬ街の片隅で過ごす眠れぬ夜。
期待と不安。過去の後悔と未来への希望。
矛盾し、整理することもできないほどに入り組んだ感情が心に溢れる。
そんな熱帯夜に聞く雨の音は、穏やかに響く。
旅情熱帯夜 -Kolkata-
竹沢うるま写真展
「旅情熱帯夜 -Kolkata-」
2025/04/30-05/12
10:00-18:00 最終日17:00まで
横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室2-B
225-0012 横浜市青葉区あざみ野南1-17-3
アートフォーラムあざみ野 2F